月夜の太陽
うる覚えの道を進んでいく。


あのお花畑に行くのはいつぶりだろう。


それに、こうやって1人でお城の外を出歩くのは初めて。



「…あった」



目の前には月明かりに照らされたお花畑が広がっていた。


月明かりでいつものお花の色とは違って見える。


凄く神秘的。


辺りを見渡すと、誰かが立っているのが見えた。


私は思わず息をのんだ。


見とれてしまうほど綺麗だったから。


月の光を浴びているかのように、上を向き腕を広げている彼の髪は肩より長く、風でなびいている。


瞳も髪の毛も月の様に神々しく綺麗な金色をしている。


ヴァンパイアというより、妖精のように儚く美しい。





< 12 / 471 >

この作品をシェア

pagetop