月夜の太陽
*****


今日はこのお店とさよならする日。


きっと、このお店にもこの街にもただのルナとして来る事はない。



「ねぇソル」

『何だよ』

「今日お店終わってから少し時間ある?」

『あるけど、ルナは今日も早上がりだろ?』



私はお父様との約束を守らなければいけないから、いつも日をまたぐ前にお城に帰っている。



「だから、お店が終わったらあのお花畑に来て欲しいの。ダメかな?」

『…分かった』



ソルと会えることに嬉しさを感じ、自然と笑みが零れてしまう。


今は会える嬉しさだけを考えていよう。


このお店で最後まで笑顔で過ごしたいから。





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