月夜の太陽
「アマンダは色んな男性からアプローチを受けているのに、全て断っているのよ」

「どうして!?」

「心を動かしてくれる方がいないからかしらね。それに、アイシャがセリアル様と結婚してから申し出が増えたのよ?」

「それって…」

「そう、私と結婚したらエメラルディア家との太い繋がりができるから。私自身を見てくれている者はきっと、ごく僅かな者だけ……」



アマンダさんが言っている事はよく分かる。


私もこの家に生まれた事を嬉しくも思い、重りを付けているように感じる時もある。



「その点ルナはロナウド王子の様に素敵な方と巡り会えたようで安心したわ」

「…ロナウドとこうやって話をするのは初めてじゃないの?」

「初めてよ。ただ、以前お見かけした時に、とても心のお優しい方なんだろうなと思ったの」

『以前…ですか?』



私はロナウドの顔を見て目を疑った。


私と二人でいるときは偽りの顔しか見せないくせに、今はアマンダさんの話に驚きと興味を示している。






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