月夜の太陽
ロナウドに向かっていつもの様に落ち着いた笑顔を見せるアマンダさん。


………ロナウド?



「アイシャとセリアル様が結婚パーティーを開いた時に、来てくださったでしょう?」

『はい』

「その時に使用人にも丁寧に接して下さっているロナウド王子を見て、心のお優しい方なんだろうなと思ったんです」

『アマンダ様のお言葉は嬉しいのですが、私は何も考えずにその場におりましたので…優しく接したつもりは……』



話していくうちにどんどん苦笑いになっていくロナウド。


ロナウド自身が思う通り、何も考えてなかっただけだわ、きっと。


この人が優しいなんてあり得ないもの。



「何も考えずに出来ていると言うことは、本来お持ちのものなんだと思いますわ」

『え?』

「こんな事を言うのも何ですが、もっとご自身に自信を持っては如何ですか?」



安心させるようなアマンダさんの笑顔に、同じく微笑み返すロナウドを見て目が離せなかった。


この人もこんな風に笑えるんだ……。






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