月夜の太陽
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ルナが店を辞めて、母さんたちや客は寂しがっていたがようやく以前の雰囲気に戻りつつある。


あれから本当にルナは姿を見せてはくれなくなった。


それでいいと思う反面、またルナの姿をこの目に写したいとも思う。



『遅い』

『煩い』



ルナは来なくなったが、何故かサハルドは店に客として来るようになった。


正直嬉しくもないし迷惑だ。



『二人は仲が悪そうに見えて、実は馬が合いそうだね』

『こいつと馬が合うわけねぇだろ』

『そうかな?』



サハルドが店に来る時はいつもリオという男と一緒だ。


漆黒の髪と目をしている綺麗な顔をした男。


見た目によらず口調は柔らかくて、笑うと可愛い顔をしている。


エレナ曰く、そのギャップがいいとリオ狙いで来る女の客が増えているらしい。





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