月夜の太陽
歩きなれたバラ園の中を進み、昔からあるテーブルへと足を進めた。


テーブルの上に簡単にお茶とお菓子をセットした。



『それで厨房で色々と準備してもらっていたんだね』



ここに来る前に厨房によって、いつもの様に適当に見繕ってもらった。


街に行く前はよくこうやってリオやサハルドとここにお茶をしに来ていた。


でも、今は違う…日々状況は良くも悪くも変わっているから。



『何を…考えているの?』

「リオと仲直りできる日がやってくるのかなって……」

『…………』



ロナウドは詳しい事情はしらないが、恐らく自分のせいで私とリオがギクシャクしている事は分かっているんだろう。


今更ロナウドを責めるつもりは無い。


後ろを振り返りたくは無いから。



「そんな顔をしないで、私のせいだけど。もうこの話はしない。せっかくここにきたんだから楽しみましょう!!」

『あぁ…そうだね』



私たちは話を切り替え、なんら他愛も無い話で笑い合った。


笑うことで私たちを包む嘘をなくしてくれると思いながら。





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