月夜の太陽
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俺たちが通ると使用人は笑顔でお辞儀をしてくれる。


正確に言えば、ローズ様が通ればだが。


俺が店番をすると言ったが、母さんに半ば無理やり店を追い出され、今はローズ様に案内されながら兄貴とエレナの三人でお城の中を歩いている。


俺の隣には笑顔のローズ様がいる。



「ソル、楽しんでる?」

『はい』

「良かった。あまり感情を顔に出さないから少し心配だったの」

「ソルはいつもそうなので気にしないで下さい」



エレナの言葉に笑っているローズ様。


俺たちの様な立場の者と対等に話をしてくれる。



「ソルとフィズはどこか気になる場所とか、興味のあるものはないの?」

「そうだよ!あたしばっかりローズ様にお願いしちゃってる…」

『あ、あの…本、を置いてる部屋とかもあるんでしょうか?』



兄貴はまだ慣れないのか、少し恥ずかしそうにローズ様に聞いた。



「フィズは本が好きなの?」

『は、はい』

「それじゃあ、図書室に行きましょう」





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