月夜の太陽
「もし宜しければ私にこの敷地内とお城の中を案内させてくれない?」



ローズ様の思わぬ提案にみんなで驚いてしまった。


お城の敷地に入れただけでも信じられないことなのに、ローズ様はお城の中まで案内してくれるという。


それもご自身で。



「ローズ様お気遣い頂き大変嬉しいのですが、私どもがお城の中まで入るなど滅相もございません」

「私にとってリリアは友人でもあるのよ?友人をお城の中に招き入れたいと思うのは自然なことでしょう?」

『リリア、そう硬く考えなくていい。ローズはこの日を楽しみにしていたんだ、妻の提案に付き合ってはもらえないだろうか』

「ありがとうございます。それではお店の準備が整いましたら、お言葉に甘えさせて頂きます」



エレナは凄く嬉しそうだ。


無理もない。


憧れのローズ様と一緒に憧れのお城の中を見て回れるんだからな。


恐らく俺が店番だろう。


まぁ、たいして興味がないから別にいいけど。





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