月夜の太陽
胸に飛び込んできたステラは体の至る所が傷ついていた。


ここに辿り着くまでにかなり力を使ったようで、だいぶ弱っているようにも見える。



「酷い怪我…ルナの知っている子?」

「…うん」



お母様がステラに手かざし傷を癒してくれている。



『こんな動物は見たことがない』

「…使い魔なの」

『誰の使い魔だ』



お父様に鋭い眼差しを向けられ、思わず口籠ってしまう。


心臓が煩く騒ぎ出し、変な汗をかいている気がする。


私が口を開くと同時に、ステラもクリクリした大きな目を見開いた。



"……ル、ナ"


「ロナウドッッ!!」



ステラの口から零れた声はロナウドのもので、その声は弱々しくて、私は不安に襲われた。


呼吸をするのも辛そうだ。






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