月夜の太陽
エレナが足を止めたお店に入ると中はたくさんの人で賑わっていた。



「凄い人…」

「ここのお店すっごく美味しいの!!だからいっつも賑わってるんだ」

「そうなんだ」



サハルドもお店の雰囲気に圧倒されているようだ。


でもさすがは騎士団長の息子。


周りにいる人たちを観察し、把握している。



「おや、エレナ!!今日は見慣れない子達を連れてるね」

「今日仲良くなったルナとサハルドを連れてきたの」

「『初めまして』」

「いらっしゃい。私の事はリリアおばさんとでもなんとでも好きなように呼んでちょうだい」

「ありがとうございます。ここはリリアさんのお店なんですか?」

「そうだよ。騒がしいからゆっくりはできないだろうけど、たくさん食べておいき」



リリアさんは色んな席のお客さんから名前を呼ばれ、慌しくいなくなってしまった。


テンポよく注文も次々に取りにいくリリアさんを見て、まるで神業だなと思った。





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