月夜の太陽
「私どのくらい眠ってた?」

『二日間眠っていた』

「そう…ソルもそろそろ目を覚ますかな」

『……分からない。あいつは己の肉体を酷使することも厭わなかった様だからな』



そんな………。


余計にソルの傍に行きたくて、体を起こそうとするがサハルドが許してくれない。


伸ばした手だけが虚しく空気を掴む。


全然ソルまで届かないのに中々諦めることが出来ず、その手を下げることが出来なかった。



「ッッ」



一瞬何が起こったのか分からなかった。


だけど力強く震える腕が背中に回っていて、抱きしめられているのだと直ぐに気付いた。



「……痛いよ」

『本当に無事で良かった』

「そんなに心配してくれてると思ってなかった。自分勝手なことをし過ぎたからもう嫌われてるか呆れられているのかとばっかり………」

『そんなわけないだろ』



少し緩められた腕は今度は抱きしめるというよりは、包み込んでくれているかのようだった。






< 416 / 471 >

この作品をシェア

pagetop