月夜の太陽
ルナは頬を膨らませ、唇を尖らせてしまった。



『おいで』



手を広げるとルナは少し恥ずかしそうに胸に飛び込んできた。


そんな彼女が愛しくて少し力を強め安心を求めるように抱きしめた。



『シエル様の事が許せないか?』

「許せないわ。いくらお父様でも今回ばかりは酷すぎるもの」

『あぁ、そうだな。でもお陰で俺たちの仲は更に深まった……そう、思わないか?』



俺から静かに体を離したルナは俺の頬を優しく包み、潤んだ目で見つめてきた。



「もう……離れるなんて嫌……忘れようと、努力したのッッだけど……貴方への愛は薄れるどころかッ深まるばかりだった……何度言っても言いたい足りないッッ貴方をあい……」



話を遮るようにルナの口を塞ぎ、深く貪る様な口付けを交わした。


唇を離しそっとルナの唇を親指の腹でなぞった。



『今日はルナから言われてばかりだ。俺にも言わせてくれ』

「ソル?」

『お前を愛してる、誰よりも。死ぬまでずっと言い続けるよ……お前がもう聞きたくないって呆れるほどに、な』



再び熱い口付けを交わし、俺たちはベッドに体を預け隅々までお互いの感覚を確認するかのように体を重ねた。


世界でたった一人の最愛の女性……ルナ・エメラルディア。


月の光に魅了された俺はもう死ぬまで離れられない……ルナ、俺たちは永遠に繋がっている……何があろうと、ずっと一緒だ。







fin.

< 470 / 471 >

この作品をシェア

pagetop