シンデレラになりたくて~エリート専務と秘密の恋~
「それでは、笠島専務、失礼致します」

俺が軽く頭を下げると、部屋にいた数人の足音が部屋の外へと遠ざかっていった。

今日は…、結婚式。

俺の控え室には数分と間が開く事なく人が出たり入ったりしていた。

だけど、…その方がいい。

余計な事を考えずに済む。

だけど、俺の頭の中は、最後の夜に悲しげに笑った瑠奈の顔で一杯だった。

このまま、ここから逃げ出して彼女の元へと駆け付ける事が出来たなら、どんなに幸せだろう。

あの細い身体を、もう一度この腕に抱きとめる事が出来るなら、何だってしてやる。

…瑠奈、君は今、どうしてる?

また、屋上の隅で泣いているのだろうか…。


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