シンデレラになりたくて~エリート専務と秘密の恋~
はっ!いけない…。

「あ、ダメ…じゃないよ」

私が慌てて咄嗟にそう言うと、彼はホッとした顔をした。

「よかった…。ありがとう、瑠奈ちゃん」

これで…いいんだ。

叶わない想いを大切に抱えていても、笠島専務にとって私は名前も知らない女性社員の一人だもの。

これから先も、ずっと笠島専務を想っていても、きっと、私と専務が知り合う事すらないと思うから。

私は自分自身を納得させるかの様にそんな事を考えて、田村さんの笑顔を見ていた。






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