シンデレラになりたくて~エリート専務と秘密の恋~
そんな私の密やかな想いを一瞬にして打ち砕く噂を耳にしたのは三ヶ月前だった。

『笠島専務、山野代議士の娘さんと婚約したんだって!知ってた?』

私と同じ人事部の同僚とお昼休みに話している時だった。

一人の同僚の言葉に私はピキッと身体が金縛りに合った様に動かなくなった。

『…ちょっと、瑠奈?
聞いてる?』

『…あ、あ、うん』

『そう?それでね、そのお嬢様がねー、とっても綺麗なんだけど我儘でー…』

…我儘で…?

…その後の彼女の言葉は耳に入っていない。




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