シンデレラになりたくて~エリート専務と秘密の恋~
カチャリ。

私が入口ドアに手を掛けた瞬間、バスルームのドアが開いてバスローブ姿の田村さんが私を驚いた顔で見た。

「瑠奈…ちゃん?」

キュウッと胸が痛む。

「ご、ごめんなさいっ…!
私、やっぱりっ…」

そんな私を見て田村さんはニコリと哀しげに笑うと「いいよ」、と言った。

「え?」

「俺、実は知ってた。
瑠奈ちゃんの心の中に別の誰かがいる、って。
知ってて君を俺のものにしようとしてたんだ。
君は、負い目のせいか、断らない、って事も分かってたんだ」



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