シンデレラになりたくて~エリート専務と秘密の恋~
パタン。

専務はホテルの部屋の一室に私を促し、自分もそのまま入るとそっとドアを閉めた。

クルッと私の方を振り返ると、握っていた手をパッと離した。

「ごめんね、芹沢さん、何か、巻き込んでしまって。

今、お茶でも淹れるよ。

…そんなに警戒しないで。しばらくしたら送るから。彼女が帰った頃に」

………。
あの人、婚約者、よね?
さっきの話の内容、何だか違和感がある…。

でも、私には関係ないから…。

「何も聞かないの」

突然、専務が言った。

「え…。

あ…、わ、私には関係ない事ですし…」

知りたい、二人の関係…。

でも、そんな事、思っちゃいけない。今、こうして二人でいること、これが奇跡に近い事なんだから。

勘違いしちゃ、ダメだわ。

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