シンデレラになりたくて~エリート専務と秘密の恋~
「先ほどの、田村さんと同じ階の部屋を」

俺がそう言うと支配人は不思議そうな顔をした。

「田村様、でございますか。あの…、スイートも本日は空きがございますが…」

…おいおい、俺を疑っているのか?

俺が怪しい訳ないだろう!!

少々、ムッとなりながらも、更に言う。

「早く!!うちの社員なんだよ!!」

「はっ!!さ、左様でございましたか!お、お待ち下さいませ」

支配人は額にうっすらと汗をかきながらキーを一本、俺の前に差し出した。

「七階の、〇723号室でごさいます。

どうぞごゆっくりおくつろぎ下さいませ」

俺は奪う様にそれを手にすると、エレベーターに乗り込み七階のボタンを素早く押した。
< 48 / 122 >

この作品をシェア

pagetop