シンデレラになりたくて~エリート専務と秘密の恋~
もう…限界だ。

俺は彼女の細い両手首を掴むと一気に押し倒した。

「…専務?」

彼女を見下ろす。

紅く染まった頬と白く細い首筋。

潤んだ大きな瞳に小さく震える唇。

俺はゴクリと唾を飲み込むと彼女に訊ねた。

「…ごめん、もう限界。
…いいかな…?」

小さくコクリと躊躇いがちに頷いた彼女が、堪らなく愛しく思える。

こんな気持ちは初めてだ。

俺がそっと白い首筋に口付けると彼女はピクリと肩を揺らした。

「……芹沢さん?」

身体が小刻みに震えている。
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