シンデレラになりたくて~エリート専務と秘密の恋~
私と美里さんは驚いてただ、彼を見ていた。

「あ、あなた、どうしてここにいるのよ。
やっぱりこの女と会うつもりだったのね!
いい加減にしとかないと…」

「…しとかないと?どうなるんだよ」

美里さんが彼を責めるように話し出すと、彼は冷たい視線を彼女に向けたまま低い声で聞き返した。

「婚約してから君の望みは叶えてきただろ。
結婚までには、まだ時間がある。
今はまだ、俺の行動に君は口出し出来ないはずだ」

彼女は彼の言葉に何も言い返さずに青ざめた表情で彼を睨み返した。

だけど、私も…、彼女と同じく動けないままだった。

圭吾は、結婚までの、残りたった二ヶ月で私との関係を終わるつもりでいるんだ……。

今、はっきりと、美里さんよりも、私が彼に告げられた様な気がした。



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