シンデレラになりたくて~エリート専務と秘密の恋~
「この店ね、安東先輩に教えてもらったんだ。おいしいでしょ」

鴨肉のソテーをスマートな手つきで切り分けながら田村さんが優しく微笑む。

「ええ、とても。だけど、高いんじゃないの?」

手元に溢れるほどに並べられた皿を見ながら訊ねた。

「いいんだ、今日はお祝いだから」

「えっ?何の」

「今日は俺の誕生日なんだ」

「ええっ!私、何も…」

知らなかった…。


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