シンデレラになりたくて~エリート専務と秘密の恋~
俺が瑠奈を、追い込んでいるのか…?

全てを守りたいと、心から思った、愛しい彼女を。

「……!専務…?」

田村が俺を見て固まっている。

俺は情けない事に、…泣いていた。

「あ…、すまない」

田村に一言詫びると俺は目頭を押さえた。

いけない、瑠奈の事となると、冷静ではいられなくなる。

勝手に溢れてくる涙を止める術もない。

「笠島専務…、あなたは…」

田村が何かを言っているが、もう俺の耳には入らなかった。

だが、彼が次に話した一言で俺は思わず顔を上げた。

「俺はもう、瑠奈ちゃんとは婚約解消したので、…後は専務にお任せしてもよろしいですか」


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