シンデレラになりたくて~エリート専務と秘密の恋~
「えっ」

俺の反応に彼は不思議そうな顔をした。

「もしかして、お聞きになってなかったんですか。
お二人と南急ホテルのロビーでお会いした日に、瑠奈があなたを本気で思っていた様でしたので、自分は身を引いたんです。
…と言うよりは、逃げ出したのかも知れない。受け止めきれなかった。辛い恋に向かう彼女を。

あなたは、彼女を幸せにしてあげる事が、出来るんですか?」

「え…」

田村は俺の目をジッと見てから、やがてフッと笑った。

「…遊びだと言った事は取り消します。

後は、あなたの好きにして下さい。

…先程、エレベーターが動きましたよ」

え?………。

俺は次の瞬間、先程の会議室目指して走っていた。

瑠奈っ!


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