ちぐはぐ遠距離恋愛

今の状態




1番後ろと、


1番前。



間には約15人の壁。


それがあたしを邪魔してる。


「まっしー、どこ見てんの?」

「あ、ううん」



後ろを向いていた首を前に戻す。

話しかけてきたのは、学級委員の舞[まい]。



中学生になって1年あまり。

学級委員が出てきたおかげで、やっと前に人が立つようになった。


「あ、今校長噛んだ」


舞が楽しそうに笑った。

それと同時にちょっとざわつく体育館。


また振り返りそうになって必死に前を向き続けた。


みんなの声をかきわけて、耳だけであなたを探す。

だけど、やっぱり聞こえない。



(……馬鹿だな、あたし)


どうせ聞こえないのわかっているのに何回もやって、そのたんびに落ち込むあたし。



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