ちぐはぐ遠距離恋愛
「りょうた……!!!」
何か変な感じがした。
あたしがいるのは、自分の部屋の上のベッド。
「ゆ……め……??」
汗をかいてびしょびしょになっている全身。
顔は汗だけじゃなく、涙も混じってる。
あたしは一気に力が抜けた。
(悪夢だ………)
「……………っ」
…息苦しい。
そんなとき、インターホンがなった。
フラフラする足取りで玄関へ。
「はい……」
「真白ちゃん…?」
「ぇ…智春[ちはる]さん…?」
あたしはすぐにドアをあけた。
そこには、智春さん………諒太のお母さんが立っていた。
「夕南[ゆな]ちゃんに頼まれたの…大丈夫?」
専業主婦の智春さんは、多忙のお母さんから頼まれてよく世話をしに来てくれていた。
「ごめんね、立たせちゃって…」
智春さんはあたしの体を押して部屋に入れた。
「汗だくじゃない!着替えてね?」
智春さんはにっこり笑って部屋を出た。
拍子抜けしたあたしは、言われた通り着替え、もう一度ベッドに入った。
ノックの音と一緒に智春さんが入ってきた。
「お腹すいてない?」
「ちょっと…」
「ゼリー買ってきたの!食べる?」
あたしの返事も聞かずにリビングに向かい、また戻ってきた。