ちぐはぐ遠距離恋愛
智春さんと一緒にゼリーを食べる。
目の前で器用にスプーンですくう、その仕草すらも美しかった。
モデルのようなスタイルに、綺麗な顔。
高い鼻に、二重の目…。
いつも優しくて、安心するような香りが漂っていて……。
ふんわりとした茶髪の髪の毛は毛先まで手入れされている様子がわかる。
「いいなぁ…」
「え?」
「あたしも…智春さんみたいな女性になりたい」
「何言ってんの!!」
優しく笑いながら智春さんは言った。
「心配しなくても、真白ちゃんは十分かわいいわよ」
「可愛いじゃなくて、智春さんみたいな綺麗な女性がいいの!てか可愛くないし…」
「あたしが綺麗?真白ちゃんもお世辞が言えるようになったのね〜」
(天然………?)
と思うときもあるけど、やっぱり憧れの女性。
「ね…智春さんって、モテてたでしょ!」
「え?!」
顔を赤くした智春さん。
「やっぱり……!」
(モテないわけがないよね〜!)
一人目をキラキラさせるあたし。
「聞きたいなぁ」
「つまんないわよ?」
「じゃあせめて嘉和[よしかず]さんとの話を!」
「えぇ…?!嫌よ、あんなやつの話するの」
「あんなやつぅ?」
(よく言うわ…)
あたしは横目で智春さんを見た。
(ラブラブ夫婦で有名でしょ?)
まるで新婚のような生活をする智春さんたち。
「嘘つけ…」
「ま…真白ちゃん!?」
あたしの言葉にもっと顔を赤くし、慌て出した智春さん。
(相変わらずわかりやすいんだから)
あたしは最後の一口を口にほうり込んだ。