ちぐはぐ遠距離恋愛
涙が止まらない―――。
力が入らない。
もう、
嫌だ、つらい………。
「おい、大丈夫か?」
「……んでよ」
「あ?」
(どうして………?)
「ど、……して」
「おい、大野?」
(苗字で、呼ばないで…)
「い、や…っ」
「大…「遥……も、諒、太も大…っきら…ぃ」
「は?」
そして諒太の目には、あたしの手が握っていた携帯をみた。
それを取った諒太は、メールを見た。
「…………」
無口になる諒太を見てあたしは息苦しくなった。
「も…ムリ……」
「あい…つ…」
「苦しいよ…」
「大野?」
「助け…て…」
上手く息ができない。
(死にそう……!)
諒太があたしを抱き起こす。
「おい!おい、大野!!」
「どうした?」
凌が入ってきた。
諒太が慌てるように説明する。
「何か苦しそうだ」
「え?」
凌があたしを覗く。
「発作だ…」
「はっ?」
「ちょっと待って、諒太くんは姉ちゃんをそのまま支えてて」
薄れ行く意識のなか凌たちの会話が聞こえる。
諒太はあたしをきつく抱きしめるようにした。