ちぐはぐ遠距離恋愛
ピリリリリ―――。
「ん……」
あたしは鳴っていた携帯に手を伸ばした。
一通のメールだった。
まだ9時だった。
ママは帰ってきていない。
あたしは携帯を持って部屋を出た。
玄関を見ると、智春さんたちの靴がまだあった。
(…帰ってないんだ)
あたしはつくづく感謝をしながらリビングへ。
だけど智春さんの姿はなかった。
(トイレが閉まってたっけ?智春さんが入ってたんだ)
あたしはそう思った。
お茶を飲みながらメールを開いた。
送信者は……。
「は…るな」
少し感じる恐怖を必死で隠しながら、あたしは決定ボタンを押した。
『具合大丈夫?38度も熱あるんだってね。お大事に!』
あたしがそのメールを見て、
体の力が抜けて、座り込むのと………。
ガチャ―――。
「え…大野?」
諒太がリビングに入ってきた時間は同じだった。