ちぐはぐ遠距離恋愛



でも、久しぶりにあいつの笑った顔が見れた。

あたしの山内への邪念なんてどこかへ吹き飛んだ。



「あ…そういえばさ、」



奈緒美と依弥があたしたちの隣に並んだとき、山内が口を開けた。



「日曜日、誰誘えばいい?」

「は?」

「あ…」



舞が小さく声を出す。



「俺だろ?村野に、陵本[おかもと]…あと、「山内!!」




奈緒美が山内に駆け寄った。



依弥もそれについていく。



「それは言わないって約束でしょ!」

「そうだっけ?」

「山内の馬「ちょっとお二人さん?」




小さい依弥の言葉を遮ってあたしは二人の肩に手を置いた。


不安そうな顔をしながら恐る恐る振り向く。



「どーゆーことかなぁ?」




あたしの隣には、すまなそうな顔をした舞。




「「……………」」




そして黙り込む奈緒美と依弥、



あと山内も…………。




「説明、してくれるよね?さ……日曜日、どこで遊ぶのかなぁ?」





首の骨をコキコキならしたあたしに、三人の顔が青ざめっていったのは



言うまでもない………
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