無口でクールな転校生。
「どうかしたの?こんな朝早くに来て」



そう言いながら、俺は自分の席へ座った。



笹本さんは俺のほうを見つめて、ため息をついた。



「な、何?」



見つめてくるなんて、珍しいじゃん。



少し動揺してる心を隠すように、俺は口調を強めてさらに笹本さんに尋ねた。



「だからどうし……」



だけど途中で笹本さんの異変に気づき、言うのを止めた。



いつも表情を崩さない笹本さんが、今にも泣きそうな顔をしていたから。
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