若恋【完】
「これから龍神会を潰しにいくのは聞いたよな」
「うん」
「俺はこういう生き方しかできなくて、丸井みたいに周りを不幸にするかもしれない。それでも
それでも、おまえは俺についてくるか?」
耳元で囁くように話してくれる。
「ひとりでなんて行かせないから」
奏さんの背中に腕を回しギュッと抱き締め返す。
「りお、」
「ごめんね」
わがままを言って。
これから命をかけて大神物産を、大神組を守ろうとしているのに、わたしなんかが足枷になってしまって。
深くキスをする。
戦いに行く奏さんを引き留めないかわりに、わたしを忘れてしまわないように。
―――これから
裏の世界が変わる。