若恋【完】
熱にうかされて見上げたわたしの額に掛かった髪を寄せて撫でつける。
「何も心配しなくていい。俺のところに運ぶからな」
「―――え」
聞き間違い?
わたしを入院させるって話してたんじゃ?
「明後日には屋敷に連れ帰る。面倒は俺が見る」
「ま、って」
これ以上迷惑掛けたくない。
「入院は断った。あんたの面倒は俺が看る」
熱で頭がぐらぐら。
目の前のひとを見上げるのがやっと。
「でも」
「…帰さない。このまま帰すわけにはいかない。俺の命を助けてくれたあんたをこのままにしておくわけにはいかない」