若恋【完】


「―――わかった」


わたしを覗きこんでいた奏さんがまたひとつため息をついた。



「だが、無茶はするな」

「うん」

「何かあったら俺を呼べ」

「うん」

「仁、りおを頼むぞ」

「ああ、わかってる」

仁お兄ちゃんが頷いた。



「彼女らを見つけて事が起こる前に阻止しねえとな」

「余興やる前に、…今からでも挨拶に行ってそのふたりを見つけられればいいんだがな」

「よし行くか」

「ああ」

わたしをそっと離して奏さんが左手を差し出した。



「りおも行くんだろ?」

「うん!」

その手をしっかり握り返す。

奏さんの温もりが続いてる。




「何度も言うようだが、絶対に無茶はするな」





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