危ない家庭教師〜美男兄弟の誘惑〜
再び目を開き、顔だけドアに向けると、今一番見たくない顔が、ひょっこり現れた。


「勉強もしないで、ふて寝?」


「………」


「シカト?」


「うるさいなあ。用がないなら出てってよ」


「ワタシのデートの話、聞きたくない? 涼との、デート」


「興味ない」


というより、聞きたくない。


「またまた、無理しちゃって……」


とか言いながら、冴子は勝手に私の椅子に腰を降ろした。

じっくり話すつもりなんだろうか。いったい、何を?


「涼ってさ、かなりワルだよね?」


「………」


「遊び慣れてる感じでさ、手が早いし」


“手が早い”?


章さんも言ってたその言葉に、つい私はピクッと反応してしまった。


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