危ない家庭教師〜美男兄弟の誘惑〜
『キス!?』


涼と冴子が同時に奇声を上げた。


「拒まれたよ。なおもシツコク迫ったら、顔を叩かれた」


「あの時はごめんなさい」


私は章さんにペコッと頭を下げた。


「いや、いいんだ、当然だよ。でもね、あの時僕は本気だったんだよ?」


「え?」


「自分でも気付かない内に、君の事を好きになってたんだ」


そう言って章さんは、熱っぽい目で私を見つめた。


私がドギマギしていると、


「兄貴、やめてくれよ」


と言って涼が私の肩を引いた。


「ああ、すまん。また口説くところだった。あはは。でも安心しろよ。綾子ちゃんはおまえにメロメロだから。悔しいけどな」


< 154 / 191 >

この作品をシェア

pagetop