Addict -中毒-



唇にラムとホワイトキュラソーの甘いのと、独特の辛さを感じた。


私が飲んでいたXYZか、それとも彼のか。


どちらのか分からない。





それはまるで初めて交わす口付けのように優しく、それでいてすべてを狂わすような甘美な味がした。





まるで息の仕方も忘れたように、私は息苦しくなって彼の胸を乱暴に叩いた。


一瞬だけ彼の口付けから開放されると、慌てて息を吸い込むように口を開いた。


彼の力強い腕が私の腰に伸びてきて、引き寄せられると、再び口付けをされる。


僅かに開いた口から、彼の強引とも言える舌が侵入してきて


私は目を開いた。




長い口付けだった。



彼の舌が私の口腔内を我が物顔で探り、自由に行き来する。


まるで翻弄されているように、でもそれはちっとも嫌悪感を覚えず、むしろ私はその口付けに快感さえ覚えていた。


ようやく唇が離れて、彼が私を覗き込む。


にやり、と不敵に笑った顔を見て私の体温が上昇した。


何なの!あんたは!!そう怒鳴りたかったけれど、彼の方が一足先に口を開いた。


顎に手をかけ、


「和服…萌えるな」


と一言呟いた言葉は、あの何もかも溶けるような激しい口付けの後にはあまりにも似つかわしくない一言だった。


「はぁ!?」


思わず表情を歪めて、怒る…と言うよりも呆れかえってしまった。




第三印象





変な男。






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