タイムスリップ~戦国の王子様たち
ーーガタッ
「着きましたよ。」
ストッ…
信長が馬から降りると私に手を差し出した。
「お手をどうぞ、姫♪」
ドキン
その差し出した手の仕草や風に優しく靡く髪の毛に爽やかな笑顔があまりにも綺麗で一瞬、スローモーションのように見えた乃亜。
「あ、ありがとう…。」
私は信長の手を掴んだ。
ーーガクッ
「きゃっ!」
落ちる!?
馬が突然動きバランスを崩した乃亜は地面にぶつかるであろう衝撃に備えようとぎゅっと目を閉じた。
しかし砂のある地面ではなく、温かい何かにぶつかった。
「大丈夫ですか?」
…この声は……
乃亜はそっと瞼を開き見上げた。
「信長くん!」
「ケガはありませんか?」
「うん、ありがとう大丈夫だよ……えっと…」
「…すみません、もう少しだけ…このままでいさせてください。」
ぎゅっ
馬から落ちかけた乃亜を助けた信長はしばらく乃亜を抱きしめた。