タイムスリップ~戦国の王子様たち
するとーー
「ぷっ…」
「へ?」
「はははっ、これは傑作です!信長が恋をしただなんて……くくくっ…」
「そ…そんなに可笑しくはないでしょう!」
「…っ!?」
突然笑い出した家康に信長はつい大声を出した。
「…わ、私だって…どうしたら良いのか分からないから思い切って家康に話したのに……笑うなんて酷いではないですか!」
信長は頬を赤くして涙目になりながら家康を睨んだ。
「…クスッ、すみません、貴方がそこまで真剣だったとは……ですが僕は信長の鈍感差に笑っただけで信長の真剣な気持ちに笑ったのではありませんよ。」
スッ…
家康は信長に涙を拭くように手拭いを渡した。
「…っ、鈍感?」
「ええ、そこまで気づいていながら何故分からないのか不思議でなりません。」
「してその気持ちとは…?」
ここまで言っても分からぬとは…重症ですね…
「それは次までの宿題にします。分かるまで書物の整理をしていてください。」
「えっ!?」
それって単に仕事サボりたいだけなのでは…?
「じゃ、頑張って下さーい」
そう言って家康はそそくさっと部屋を出て行き、信長が唖然と家康の去った扉を見ていた。