記憶の中で… 2


お湯を沸かしてスパゲッティを湯がくユキの後ろ姿をじっと見ていた。

もし将来ユキと結婚したら、こんな感じなのかな…。そうなれば嬉しいけど、無理かもな。俺、勉強できねえし。大学とかじゃなくて就職のがいいのかな。うーん…。

「はい、お待たせ。できたよ。」

「お、サンキュー。粉チーズある?」

「ちょっと待って。…はい。」

「いただきまーす。あ、ユキはたらこ?ちょっとちょうだい。」

「うん。一口だけね。はい、あーんして。」

え…。

「何してるの?早く。」

パクッ

「うん。たらこもうめーな。」

何か意外だった。
ユキがそんな事言うなんて。

おばさんやユイちゃんがいれば絶対言わねえな。

「俺のも喰う?」

「んー。じゃ、ちょっとでいいよ。」

「ほい。」

パクッ

俺の手からパクついて食べるユキが可愛い。

何か…照れ臭くなった。




< 16 / 121 >

この作品をシェア

pagetop