記憶の中で… 2
綿菓子
食事を終えると部屋でゴロンと横になった。
「ユキもここへ来いよ。」
「うん。」
二人で並んで天井を見上げて、どちらからともなく手を繋いだ。
「何か…懐かしいね。昔はよくこうやって手を繋いでお昼寝したんだよね。」
「そうだっけ?」
「うん。そうだよ。」
「……。」
「……。」
「…ユキ?」
「…ん?」
「もう…俺たち子どもじゃない。」
「…うん。」
「でも、大人でもない。」
「…うん。」
「フワフワの綿菓子…食べたいんだけど。駄目かな。」
「綿菓子…?お祭りにはまだ早いじゃん。」
「…惚けてんの?」
「え?真面目だけど…。」
「……もういいよ。」
ユキに背中を向けた。