記憶の中で… 2


夜、ベッドに入ってまたユキを抱いた。

どこまでも貪欲な俺。ユキを手に入れても、もっと、もっと、と欲求が湧いて出る。この感情はどこから来るのか。

ユキも昼間のように遠慮がちではない。

甘い声を出し、段々大胆になっていく。

部屋が暗くて見えないせいなのか、夜の静けさのせいなのか…。

いつもならテレビを見たり、ユイちゃんたちとお喋りしたりする時間。

ユキと二人だけの甘い時が流れていく。

裸のまま抱き合って眠り、朝、目覚めるとまたユキを抱いた。

「またするの!?」

なんて言いながら、きっちり俺に応えてくれる。

「これからしばらくキスもハグもできねえから。」




その日の夕方、おばさんとユイちゃんはほぼ同時に帰って来た。

俺たちは裏工作のために、その頃には勉強に没頭していた。

「大変だったでしょ。ごめんね。」

と謝るおばさんに、俺たちは顔を見合わせて、「いいえ、ちっとも。」と笑った。




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