記憶の中で… 2

6月



あれから何事もなく、淡々と日は過ぎて行った。

俺はというと、ユキに触れる事ができなくて、イライラが募っていた。

ある日ユキに、「お前、小使いいくら持ってる?」と聞いた。

「五千円位かな。何でよ?」

「なあ、半分づつ出しあってラブホ行かねえ?」

「ば…ばっかじゃないの!?行くわけないじゃん。冗談も程々にしなさいよ!」

…ユキを怒らせてしまった。

ユイちゃんは相変わらず、俺の部屋に来ては、クラスの子が誰と付き合ってるの、初体験しただの、男が萌える女の子の仕草がどうのこうの…延々と話続ける。

話なんか全く聞いてなくて、「ねえ、ナツ君はどう思う?」なんて意見を求められた時は非常に困る。

正直、ユイちゃんを見てて、女って…煩いと思った。




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