記憶の中で… 2
パーティー
ユキと二人、手を繋いで家を出た。
皆にはユキを連れて行くなんて言ってないけど、まあ、いいだろ。
家もそんなに遠くないから歩いて行った。
途中、ユキが、「ちょっと待って。」と立ち止まった。お腹を押さえるような仕草をして少しすると、「ん、ごめん。行こ。」と言って歩き出した。
「具合悪い?」と聞くと、「ううん、大丈夫。気のせいだったみたい。」と答えた。
その時はユキの様子も元気だったから、気に留める事もなかった。
電話をくれたクリスの家に到着すると、すでに皆集まっていて、10人位の人数だった。
庭でするらしく、綺麗に手入れされた芝生の上にはテーブルが用意され、皆それぞれ一品ずつ持ち寄って来たみたいで、色んな料理が並べられている。
皆口々に、「元気にしてたのか?」とか「連絡ぐらいしろ。」とか言われて、何の連絡もしなかった事を後悔した。
「で、この子は誰だよ。妹か?」
ユキをチラリと見て、「今、小学生?」と言った。
言葉が分からないユキはキョトンとしている。