記憶の中で… 2


「日本ではどうなの?成績はいい方?」

あ…おばさんは日本に来てすぐ入院しちゃったから、知らないんだ…。

「…それが…。漢字が分からないみたいで…。ノートを見ても、ほとんど平仮名ばっかりだし、意味もそんなに…。だから試験でも問題の意味が分からない…て。」

「そうなの。それじゃあ大変でしょうね。」




「おい、ユキ!」

突然ナツキが割って入って来た。

「10時になったら出掛けるぞ。あ、母さん。今日、元クラスのメンバーがパーティーしてくれるんだってさ。ユキ連れて行って来る。」

「そう。よかったわね。楽しんでらっしゃい。」

え…?パーティー?

ナツキ、友だちいないって言ってなかったっけ…?

それにパーティーなんて…何着て行けばいいんだろ。

「ナツキは何着て行くの?」

「は?このままだけど…。」

「そうなの?じゃあ、私もこれでいいかな。」

「うん。パーティーって言っても同じ年の子の集まりだし、そんな気の張るようなもんじゃない。」

「ふーん。そうなんだ。」




< 43 / 121 >

この作品をシェア

pagetop