君の花嫁


「それとも、私から雨宮家に話しましょうか!?」


こうなると何も言えなくなってしまうようだ。
世界のame-miyaだ。
この学校にも影響力は強いだろう。
お嬢様たちは悔しそうに私を思いっ切り睨みつけ去っていった。


「何なのよ、もう……」


呟いて制服の汚れを叩いて落とす。
足からは血が滲んでじんじんと痛い。
なんで私がこんな目にあわなきゃなんないんだろう。
もとはといえば、こんなったのも伊織のせいだ。
くそ~。
涙がジワッと出てきそうになる。

ハッ。ダメダメ!


泣くな、私。
こんなことで泣いていては駄目だ。
唇をグッと噛み、顔を上げる。
すると、突然頭上から声が聞こえた。


「へぇ、可愛い顔して結構気が強いんだね」


突然の声に私は空を見上げた。




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