十字架に愛を



一本一本舐め取られていく指先からどんどん熱くなっていく。


「吸うよ。」


耳元で低い声がして、もう一度口づけ…。


そして、


琉の息が、牙が、



私の首筋に突き刺さる。



「あぁっ…。」


慣れない不思議な感覚に目を瞑る。


甘い痺れと共に、体が軽くなっていく。


琉に全てを持っていかれるような…そんな気分。



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