朝が待てなくて

別の待ち合わせをしているテイで、さらに数歩離れて下を向いて待っていると



「わっ!」



と突然大声をかけられ、肩をバシッと叩かれた。



ひゃぁぁぁぁ…っ



びっくりしてへたり込みそうになる。


顔を上げると、そんなわたしを見て樹がゲラゲラ笑っていた。




「お前さぁ、俺ずうっとそこで待ってたのに何で気づかないんだよ?」


全然別人じゃない樹の明るい笑顔があった。


「あ…ほかの集まりかと思ったから」


とっさに嘘をつく。




さっきの女の人たちは「あり得ない」って顔で、わたしのことを上から下までジロジロと見定めてから去って行った。



「何あれ? 小学生?」


ってクスクス笑うのが聞こえたよ。



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