朝が待てなくて
「ホントに高校生だもん」
「うん」
市街地を抜けて高速に乗ってから、車はもう随分走り続けていた。
「眩しくてさ…」
「え?」
「あん中にいた頃には自分たちが輝いてるだなんて思いもしなかったけどな」
「輝いてる?」
「うん、真琴が一番光ってたぞ」
「えへへ。何だ、それ?」
「真新しい制服着て、真琴の3年間はまだ始まったばっかなんだよなー…って思った」
樹が小さく息をついた。
「そんなお前の周りを、こんな俺が不埒な心でウロチョロしてたらマズイでしょ?」
「え」