朝が待てなくて

「「お疲れ様です!」」


「はい、お疲れ~」


すっかり日の落ちたテニスコートを引き揚げてくると、後輩たちから次々と声がかかる。


ついこの間まで習慣となっていた部活の練習後の片付けは、もうこの子達が担ってくれている。


5月の大会が終わって三年の先輩の3分の1が引退し、残りの先輩たちは秋の大会をラストゲームと決めているらしい。


引退の時期は個人の自由でまちまちだが、三年生はやはりそれぞれ大学受験モードへと突入はしているようだ。


で、部活にのめり込める二年生が自ずと部の中心となるわけで、わたしたち同期の面々は俄然張り切り出していた。


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