朝が待てなくて
それなのに、美里さんはにっこりと笑ってくれた。
「うん。でも、それは昔の話!」
ねっ、と小首をかしげる可愛らしい笑顔。
それから彼女は言ったんだ。
「樹って……いい人だよね」って。
「……はい」
それは間違いない。
「わたしね、失敗しちゃったな」
ポツンと彼女は言った。
「え?」
空を見つめるようなきれいな横顔を、わたしはボーッと眺めてしまう。
「わたし16歳から樹のことしか知らなかったでしょ? だから自分の中で男性の基準値は自然と樹になっちゃってるの。個人差はあるだろうけど、でも男の人ってだいたいみんなあんな感じなのかなって思ってたから」